事業再構築補助金 2024

補助金の申請手続きは、専門のコンサルタントに協力を依頼しています。プロのサポートを受けながら申請いたしますのでご安心ください。申請サポート費用は、申請額によって変わりますのでご相談ください。

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目次

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金は、中小・中堅企業の事業再構築(新市場進出・事業転換・事業再生など)を後押しするための補助金です。

もともとはコロナ禍で売上減少に見舞われた企業を対象としていましたが、現在ではコロナ禍とは無関係に応募できる枠が多くなっています。

最新の第12回公募では、以下の3タイプの枠(計5種類)が設けられています。「コロナ回復加速化枠」の通常類型のみ、コロナ禍関連要件が必須となっています。

  • 新しい分野に挑戦する取り組みを支援→成長分野進出枠(通常類型・GX進出類型)
  • コロナ禍・最低賃金引上げの影響を大きく受けている企業や事業再生中の企業を支援→コロナ回復加速化枠(通常類型・最低賃金類型)
  • 生産拠点の国内回帰や地域サプライチェーン強化のための取り組みを支援(製造業向け)→サプライチェーン強靱化枠

コロナ関連債務を抱える企業の取り組みや、ポストコロナ時代への対応を図るための取り組みは重点的な支援対象となっており、どの枠で申請する場合も審査で加点されます。

授業・レッスンのオンライン化はポストコロナ時代への対応を図る取り組みとして評価されるため、オンライン化を含む事業計画で申請する企業は採択される可能性が比較的高いと言えます。

実際、オンラインスクール関連の取り組みは毎回のように採択例が出ています。

ただし、サービスをオンライン化しても顧客層が既存の顧客層と変わらなければ、補助金の対象とはなりません。オンライン化が新規顧客層の獲得につながることを示す必要があります(詳しくは「事業再構築要件」の箇所で解説)。

事業再構築補助金の5つの特徴

事業再構築補助金の主な特徴(メリット・注意点)をまとめます。

①(メリット)大規模な事業投資を低コスト・低リスクで実施できる

新サービスの開発や業種・業態転換などの大規模な事業投資を実行するためには、多額の費用投入や借入が必要です。投資が失敗するリスクもあり、失敗すれば大きな痛手を被ることになるでしょう。

事業再構築補助金を獲得すれば、こうしたコストやリスクをかなり低減できます。結果的に付加価値額増加などの申請要件を満たせなかったとしても、制度に違反する行為をしていない限り、基本的に補助金を返還する義務はありません。

②(メリット)幅広い事業・経費が対象になる

顧客層拡大や業種・業態転換などを図るための幅広い取り組みが採択対象となっており、補助対象経費も広範囲に及ぶため、企業の置かれた状況や経営戦略に応じてさまざまな形で利用できます。

補助対象経費一覧

  • 建物費(建築・改修などの費用)
  • 機械装置・システム構築費(購入・製作・構築・借用などの費用)
  • 技術導入費(ライセンス料など)
  • 専門家経費
  • 運搬費
  • クラウドサービス利用費
  • 外注費
  • 知的財産権等関連経費(特許権・商標権などを取得する際の手続き代行費用など)
  • 広告宣伝・販売促進費
  • 研修費
  • 廃業費

※廃業費は「成長分野進出枠(通常類型)」に「市場縮小要件」で申請し、既存事業の廃業を行う場合のみ対象

③(メリット)事業計画作成を通して自社の現状と将来性を再検討できる

補助金の審査はおもに事業計画書(3〜5年)をもとに行われます。申請企業は事業計画作成を通して自社の現状や強み・弱みを分析し、将来性について深く検討することになります。

結果として補助金が獲得できなかった場合でも、事業計画作成を通して得た経験・知見を今後の経営や次回以降の補助金申請に活かしていくことができます。

④(注意点)申請や報告に手間・コストがかかる

申請時には事業計画書を初めとして多数の書類を用意する必要があります。とくに事業計画書の作成には手間とコスト(コンサルタントに支援を依頼した場合の費用など)がかかります(これはメリットの裏返しです)。

採択後にも、補助金交付申請や投資完了の実績報告、事業化に関する年次報告などが求められます。

⑤(注意点)補助金交付までタイムラグがあり、返還を求められるケースも

補助金は採択後すぐに入金されるわけではありません。実際に投資(設備購入など)を行って投資額が確定した後に、投資完了報告(実績報告)と補助金支払い請求を行うことで初めて入金されます。

つまり、設備投資などの費用を直接補助金で支払えるわけではなく、いったんは自前で資金を調達して投資を実行し、後で埋め合わせる形となります。

制度に違反する行為(事業計画書とは異なる事業への投資や虚偽の申請・報告など)が発覚すれば、補助金の返還が命じられます。

補助金で取得した財産を一定期間内に処分(譲渡)した場合や、補助対象事業から自己負担額を超える収益が生じた場合、一部返還が求められることがあります。

事業再構築補助金の申請要件

2024年7月末段階で次回(第13回)の公募内容はまだ発表されていないため、第12回の「公募要領」をもとにおもな申請要件をまとめます。

申請要件には全類型に共通のもの(どの枠・類型で申請する場合にも満たす必要があるもの)と、類型ごとの追加要件があります。

なお、製造業のみが対象となる枠・要件(サプライチェーン強靱化・国内回帰)については本記事では割愛します。また、補助率・補助額の上乗せ措置(中堅企業への成長を後押しする「卒業促進上乗せ措置」、大規模な賃上げを後押しする「中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置」)を受けるための要件もありますが、ここでは省略します。公募要領でご確認ください。

共通要件

以下の「すべて」を満たす必要がありあます。

事業規模要件以下のいずれかに該当する法人・個人
中小企業者等:(サービス業の場合)資本金5,000万円 以下または常勤従業員数100人以下
中堅企業等:資本金10 億円未満(資本金が定められていない場合は常勤従業員数2,000人以下)
※全株式の半数以上を同一の大企業に保有されている企業や、2/3以上を複数の大企業に保有されている企業などは、「みなし大企業」として扱われ、補助金の対象外
事業再構築要件以下のいずれかのタイプに該当する事業計画で申請すること
【新市場進出(新分野展開・業態転換)】
主たる業種や主たる事業は変えない 
※主たる業種=日本標準産業分類の大分類で自社売上高構成比率最大のもの(「教育・学習支援業」など)
※主たる事業=日本標準産業分類の中分類・小分類・細分類で自社売上高構成比率最大のもの(中分類「学校教育」「その他の教育・学習支援業」、小分類「学習塾」「社会教育」など)
新たな商品・サービスを提供するか、既存の商品・サービスを新しい提供方法で提供(対面授業のオンライン化など)
新たな市場(既存顧客層とは属性が異なる顧客層を対象とする市場)に進出
※顧客層の属性(年齢層・性別・行動特性・法人/個人など)が同じで商圏(サービス対象地域)だけが異なる場合は対象外
新規事業による売上高が総売上高の10%以上になるか、付加価値額が15%以上増加
例:学習塾がオンラインによる一般向け英会話コースや社会人・就活生向け資格・就職対策コース、講師養成コースなどを新設
【事業転換】
新たな商品・サービスを提供する
新市場に進出する
新規事業が売上高構成比率最大の事業となり、中分類レベルで主たる事業が変わる
例:学習塾がメイン事業を学校教育(学校教育法に基づく予備校や外国語学校など)に転換
【業種転換】
新たな商品・サービスを提供する
新市場に進出する
新規事業が売上高構成比率最大の事業となり、主たる業種(大分類)が変わる
例:施設の貸し出しを中心とするフィットネスクラブがオンライントレーニングをメイン事業化/オンラインの強みを活かしてまったくの異業種から教育事業に進出
【事業再編】
会社法上の組織再編行為(合併・会社分割など)を伴う新市場進出・事業転換・業種転換
金融機関要件事業計画を金融機関または認定経営革新等支援機関と相談の上で作成し、相談先の確認を受けてから提出すること
付加価値額要件補助対象となる投資(設備購入など)の完了後、 3~5 年の間(計画書で任意に定めた計画期間中)に、付加価値額が年平均で3%以上増加(コロナ回復加速化枠)または4%以上増加(成長分野進出枠)
※付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費(事業全体または従業員1人当たり)

成長分野進出枠(通常類型)の追加要件

以下の「いずれか」を満たす必要があります。

給与総額増加要件+市場拡大要件【給与総額増加要件】
補助対象となる投資(設備購入など)の完了後、 3~5 年の間(計画書で任意に定めた計画期間中)に、給与支給総額が年平均2%以上増加
【市場拡大要件】
取り組む事業の属する業種・業態の市場規模が、過去~今後のいずれか 10 年間で10%以上拡大
市場縮小要件①現在の主たる事業が属する業種・業態の市場規模が、過去~今後のいずれか 10 年間で10%以上縮小すると見込まれるなかで、別業種・業態の新規事業を行うこと
市場縮小要件②基幹大企業の撤退により、所在地域の市町村内総生産が10%以上低下すると見込まれ、かつ、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の 10%以上を占めること

成長分野進出枠(GX進出類型)の追加要件

以下の「すべて」を満たす必要があります。

給与総額増加要件通常類型の【給与総額増加要件】と同一
GX 進出要件国が定めた「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略・実行計画14 分野」に掲げられた課題の解決に資する取り組みであること

コロナ回復加速化枠(通常類型)の追加要件

以下の「いずれか」を満たす必要があります。

コロナ借換要件コロナ関連の既往債務を、国(政策金融機関)・自治体が実施する保証制度(コロナ借換保証など)で借り換えていること
再生要件中小企業活性化協議会などの支援のもとで再生計画を策定中か、策定済で再生計画成立後3年以内の再生事業者であること

コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)の追加要件

「最低賃金要件」を満たす必要があります。それに加えて「コロナ借換要件(通常類型と同一)」を満たせば、補助率が上乗せされます。

最低賃金要件2022 年 10 月から2023 年9月の間、全常勤従業員数の10%以上に当たる数の従業員を、3か月間以上最低賃金+50円以内で雇用していたことがあること(上記期間に属するいずれかの3か月間について、賃金台帳を提出して証明)

事業再構築補助金の補助率・補助金額

枠・類型ごとに補助率と補助金額(上限・下限)をまとめます。補助金の交付額は以下の式で計算します。

補助金交付額の計算
A) 「補助金交付申請時の審査で補助対象として認められた経費」×「補助率」(「補助金額上限」以下の場合)
B) Aが「補助金額上限」を上回る場合、「補助金額上限」
※ Aが「補助金額下限」を下回る場合、申請不可

成長分野進出枠(通常類型)

補助率中小企業者等 1/2
中堅企業等 1/3
補助金額(下限〜上限)【従業員数 20 人以下】100 万円~1,500 万円
【従業員数 21~50 人】100 万円~3,000 万円
【従業員数 51~100 人】100 万円~4,000 万円
【従業員数 101 人以上】100 万円~6,000 万円

成長分野進出枠(GX進出類型)

補助率中小企業者等 1/2
中堅企業者等 1/3
補助金額(下限〜上限)中小企業者等
【従業員数 20 人以下】100 万円~3,000 万円
【従業員数 21~50 人】100 万円~5,000 万円
【従業員数 51~100 人】100 万円~7,000 万円
【従業員数 101 人以上】100 万円~8,000 万円  

中堅企業等
100 万円~1 億円

コロナ回復加速化枠(通常類型)

補助率中小企業者等  2/3(一定金額までは3/4)
中堅企業者等  1/2(一定金額までは2/3)
補助金額(下限〜上限)【従業員数 5 人以下】100 万円~1,000 万円
【従業員数6~20 人】100 万円~1,500 万円
【従業員数 21~50 人】100 万円~2,000 万円
【従業員 51 人以上】100 万円~3,000 万円

コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)

補助率【コロナ借換要件を満たさない場合】
中小企業者等 2/3
中堅企業者等 1/2  

【コロナ借換要件を満たす場合】
中小企業者等 3/4
中堅企業者等 2/3
補助金額(下限〜上限)【従業員数 5 人以下】100 万円~500 万円
【従業員数6~20 人】100 万円~1,000 万円
【従業員数 21 人以上】100 万円~1,500 万円

事業再構築補助金の申請流れ

事業再構築補助金申請のおもな流れは以下の通りです。各種申請・書類提出はすべて電子システムを通して行います。

  1. 事業計画書作成・提出書類準備
  2. 応募申請
  3. 採択発表
  4. 補助金交付申請〜審査〜交付決定
  5. 補助事業実施(事業計画書に基づいた投資の実施)
  6. 事業遂行・収支状況報告書の提出と中間検査(当局からの要請があった場合のみ)
  7. 補助事業実施に関する実績報告書の提出
  8. 確定検査〜交付額の確定
  9. 補助金精算払請求
  10. 補助金の支払
  11. 事業化状況・知的財産権等報告(投資成果や知的財産権出願・取得に関する報告、5年間・毎年)

補助金の申請手続きは、専門のコンサルタントに協力を依頼しています。プロのサポートを受けながら申請いたしますのでご安心ください。申請サポート費用は、申請額によって変わりますのでご相談ください。

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